Theories of Dividend Policy
ex-dividend:配当落ち
Bird-in-hand (dividend preference theory):手の中の鳥
短期的に得られる配当は将来のキャピタルゲインよりも確実であるため、投資家が確実にもらえる配当を好むという理論。
bird in the hand” (dividends) is worth two in the bush (expected capital gains).
Dividend irrelevance
株主は自分で保有株の一部を売却することで配当を貰うことと同じ経済効果を得ることや受け取った配当金が大きすぎた場合は自分で再投資をすることができるため、配当政策は企業の株価や資本コストに影響を与えないとする理論。
配当無関係説が成り立つのは、税金がなく、証券会社のコストがなく、株式が無限に分割可能な場合を想定した理論であることに注意する必要があります。
米国で支払われる配当金
利益は配当の有無にかかわらず法人レベルで課税され、配当は株主レベルで再び課税されるため、二重課税制度と呼ばれる方式で課税されることになります。
effective tax rate = corporate tax rate + (1 − corporate tax rate)(individual tax rate)
imputation tax system
配当金の実効税率は、単純に株主の限界税率になります。
Target Payout Adjustment Model
expected increase in dividends = [(expected earnings × target payout ratio) − previous dividend] × adjustment factor
adjustment factor = 1 / number of years over which the adjustment in dividends will take place
expected dividend for the current year= previous dividend + expected increase in dividends
repurchase:自社株買い
earnings yield (E/P)が after-tax cost of debt を上回る場合, 買戻しによりEPSは増加します。
自社株買いのメリット
- 税制優遇の可能性
キャピタルゲインに対する税率が配当所得に対する税率より低い場合、自社株買いは現金配当よりも税制面で有利となります。 - 株価サポート・シグナル
企業は自社株を購入することで、自社株が良い投資先であると市場にシグナルを送ることができます。株価が下落しているときに、経営陣が投資家に会社の将来に対する自信を伝えたいときによく使われます。 - 柔軟性の向上
企業は、通常の現金配当を行いますが、配当の補完として定期的に自社株買いを行うことができます。配当金と異なり、自社株買いは長期的なコミットメントではありません。現金配当と自社株買いは経済的に同等であるため、企業は少額の安定配当を行った上で、会社の余剰利益で自社株買いを行うことできます。さらに、経営者は「マーケット・タイミング」に関しても、自社株買いの裁量を持つことができます。 - 従業員ストックオプションによる希薄化の相殺
自社株買いは、ストックオプションの行使によって生じるEPSの希薄化を相殺できます。 - 財務レバレッジの増加
新たな負債で資金を調達する場合、自社株買いはレバレッジを高めます。経営陣は、株式の割合を減らすことによって、会社の資本構造を最適な資本構造に向かって変えることができます。
Dividend coverage ratio = net income / dividends
FCFE coverage ratio = FCFE / (dividends + share repurchases)