シャープレシオ
シャープレシオの重要な特性は、ポートフォリオに現金やレバレッジを加えても影響されないことがあげられます。
無リスク資産に50%配分すると、超過収益率とリターンの標準偏差の両方が半分に減少します。
最適なアクティブリスクを持つポートフォリオのシャープレシオ
SRP=√(SRB^2+IR^2)
SRB:ベンチマークのシャープレシオ
IR:ポートフォリオのインフォメーションレシオ
ポートフォリオのトータルリスク
σP^2=σB^2+σA^2
インフォメーションレシオ
IR=(RP−RB)/σ(RP−RB)=RA/σA=active return/active risk
E(RA)= IR × σA
シャープレシオと異なり、インフォメーションレシオは現金の追加やレバレッジの使用によって変化します。
インフォメーションレシオの分子(アクティブリターン)は、現金以外のベンチマークとの比較で測定されます。
現金の追加によりアクティブ・リターンは低下するが、アクティブ・リスク(アクティブ・リターンのボラティリティ)はあまり変化しないため、現金の追加はインフォメーションレシオを低下させる要因になります。
excess return = (RP − RF)
Optimal active risk 最適なアクティブ・リスク
制約のないアクティブ・ポートフォリオの場合、最適なアクティブ・リスク量とは、ポートフォリオのシャープ比を最大化するアクティブ・リスクとなります。
Optimal active risk=σA=(IR/SRB)σB
Closet Index Fund クローゼットインデックスファンド
クローゼット・インデックス・ファンドとは、アクティブ運用をうたいながら、実際にはベンチマークとなる指数に忠実に追随するファンドのことです。
このようなファンドは、ベンチマーク・インデックスと同様のシャープ比を持ち、インフォメーションレシオは非常に低く、アクティブ・リスクはほとんどありません。
ベンチマークと同様のリターンになるため、手数料を差し引いた後、クローゼット・インデックス・ファンドのインフォメーションレシオはマイナスとなります。
システマティックリスクのないファンド
リスクフリーレートをベンチマークとするシステマティックリスクがゼロのファンド(マーケットニュートラルなロングショートファンドなど)は、インフォメーションレシオがシャープレシオと等しくなります。
アクティブリターンがポートフォリオのリターンからリスクフリーレートを引いたものに等しくなり、アクティブリスクがトータルリスクに等しくなることが原因です。
unconstrained portfolio(制約例:ロングオンリーなど)
制約のないポートフォリオのインフォメーションレシオは、アクティブ・ウエイトに影響されません。ポートフォリオのアクティブウェイトが3倍になれば、アクティブリターンもアクティブリスクも3倍になり、インフォメーションレシオは変化しないままです。
ブレンド・ポートフォリオ
アクティブ運用のポートフォリオとベンチマーク・ポートフォリオへの配分を組み合わせた場合、結果として得られるブレンド・ポートフォリオのインフォメーションレシオは、元のアクティブ運用のポートフォリオと同じになります。ベンチマーク・ポートフォリオのウエイトを増やすと、アクティブ・リターンおよびアクティブ・リスクは比例して減少し、インフォメーション・レシオは変化しません。
ポートフォリオのアロケーション
A(ポートフォリオのアロケーション)=最適なアクティブリスク/実際のアクティブリスク
B(ベンチマークのアロケーション)=1-A
例:最適なアクティブリスク7%、ファンドのアクティブリスクは10%のとき、ポートフォリオの配分は7%÷10%=70%がファンド、30%がベンチマークのポートフォリオとなる。