Random Walks
ランダムウォーク。時系列がランダムウォーク過程に従う場合、ある期間における系列の予測値(すなわち、従属変数の値)は、前期の系列の値にランダムな誤差項を加えたものに等しくなります。ランダムウォークに従う時系列は共分散定常ではないので、ARモデルでそのような時系列をモデル化すると、間違った推論につながる可能性があります。
単純なランダムウォーク過程に従う時系列は、xt = xt-1 + εtとして方程式の形で記述され、xtの最良の予測はxt-1となります。
E(εt) = 0: 各誤差項の期待値はゼロである。
E(εt2) = σ2: 誤差項の分散は一定である。
E(εiεj) = 0; i ≠ j のとき: 誤差項に系列相関はない。
Random Walk with a Drift
時系列がドリフトを伴うランダムウォークに従う場合、ランダムな誤差項に加えて、時系列は一定量(b0)ずつ増加または減少することが予想されます。
xt = b0 + b1xt-1 + εt
b0 = 一定のドリフト
b1 = 1
Covariance Stationarity
Covariance Stationarityであるためには時系列は有限の平均回帰水準を持たなければなりません。ドリフトの有無にかかわらず、ランダムウォークは共分散定常ではなく、いわゆる単位根(b1=1)を示すことになります。
xt = b0 + b1xt-1 + εt
b0 = 0 (ドリフトのないランダムウォークの場合)
b0 ≠ 0 (ドリフトを伴うランダムウォーク)
b1 = 1 (ドリフトのあるランダムウォーク、ドリフトのないランダムウォーク)
mean-reverting level = b0/(1−b1)であるため、b1=1だと平均回帰を持たない(任意の数を0で割るため)。
ドリフトの有無にかかわらず、ランダムウォークは共分散定常ではなく、いわゆるunit root単位根(b1=1)を示すことになります。
Dickey Fuller
単位根を持つかを確認するテスト。Dickey and Fuller (DF)は、AR(1)モデルを以下のように変換します。
(1)AR(1)モデル
xt=b0+b1xt−1+ε
(2)両辺からxt-1を引きます。
xt−xt−1=b0+b1xt−1−xt−1+ε
xt−xt−1=b0+(b1−1)xt−1+ε
この(b1-1)が0(b1-1=0⇒b1=1:単位根を持つ)かどうかをt検定で確かめる!
Autoregressive conditional heteroskedasticity (ARCH)
単一の時系列を調べる場合やある期間の残差の分散が以前の期間の残差の分散に依存する場合、ARCHが存在するといいます。
係数a1が統計的に0と異なる場合、その時系列はARCHである。
Cointegration:共和分
共和分とは、2つの時系列が同じ変数に関連しており、その関係が変化しないと予想されることを意味します。2つの時系列が共和分である場合、一方を他方に回帰したときの誤差項は共分散定常であり、t検定を使用することができます。